designer

志賀 里美
SATOMI SHIGA
福島県いわき市生まれ。
文化服装学園卒業。
つくば市でクラシックバレエやオペラ衣装のデザインチームとして活動後、ホテルウエディングを経験。
2013年、福島県いわき市に「ORDER MADE DRESS SALON RACHEL」を開業。
同年、初の単独コレクションを開催。
2014年 株式会社ラシェルブライダルを設立。
東京都港区白金にドレスサロンを開店。
2016年 展示会「バラとドレスの美術館」を開催。
2020年 福島県いわき市にサロンを移転。
私の小さい頃から夢は、洋服のデザイナーになることでした。
小学生の頃から、母の足踏みミシンを借りて、自分の洋服を作り一人でファッションショーをしていました。
高校卒業後、当たり前のように服飾学校に進学し、企業のデザイナーとして就職することを望みながら学業に励んでいた毎日。
そんな中、デザイン画の授業でドレスのデザイン画を描くことがありました。
私のドレスへの道はここから。
「あ、私ドレス作りたい!」
と思い、企業デザイナーの夢はあっけなく終わり、茨城県にあるアトリエへの就職が決まりました。
小さなアトリエなので、新卒採用の募集はもちろん、スタッフ募集すらしていない中、ドキドキしながらドアをノックしたのを覚えています。
毎日夜中まで、アトリエでウエディングドレスやバレエの衣装、舞台衣装などを製作する日々。
やっと、一人前として認められ、あるオペラ団体のデザインチームとしてデザインを担当していました。
このアトリエこそ、私の原点でもあります。
憧れだったデザイナーとしての仕事は、とても楽しく、毎日はあっという間に過ぎて行きましたが、実はそう長くは続きませんでした。
姉の結婚が決まり、そのウエディングドレスを作るためになぜか仕事を辞めてしまったのです。(笑)
たった1着のドレス作りに没頭する毎日。
そうやって出来上がった、初めて私が全て手がけたウエディングドレス。
そのドレスは、今思い出しても全てが完璧で、涙が出そうになるほど美しいものです。
そして、その時の姉の姿と表情は忘れることがありません。
私の中で、一生ドレスを作りたいと確信した瞬間でした。
その後、サービスホスピタリティを学ぶためにホテルへの就職を決め、年間1200件を超えるホテルウエディングのスタイリストとして仕事をしました。
1つ1つ手作業で作っていたドレスから、誰が作っているのか分からない大量生産のドレスへの転換。
扱う生地も違ければ、デザインもまるで違う。
ゴワゴワの化学繊維で手は荒れ、驚くほど重たいドレスに衝撃を受けました。
何度も着回されたドレスは、クリーニングの度に生地が痛み消耗していきます。
でも1回目に着た人も10回目に着た人も、当たり前のように価値が変わらない扱いになることに大きな疑問を感じたこともありました。
改めて、1つ1つ手作業で作る1着のドレスの良さを実感すると同時に、「自分だけのために作られたドレス」の価値が私の中で大きなものになりました。
ホテルでの仕事は、大変なこともたくさんありましたが、私を大きく成長させてくれた時間と場所でした。
今でもそのホテルが大好きで、一緒に働いた仲間もかけがえのない存在です。
そして、東日本大震災をきっかけに福島への帰省を決意し、家族の住むいわき市へ戻ることとなりました。
震災を通じて、家族と一緒にいれることや両親と共に暮らせる事が、どれほどかけがえのないことかを実感しました。
福島に帰ってからは、毎日ミシンと向き合いドレスを作る毎日。
1つ1つ大切な想いが込められたドレス達。
このドレス達をたくさんの人に着てもらい、幸せを届けたいと思い、実家の敷地内に物置化していた蔵を片付け展示をしました。
これが「ラシェルいわき店」の始まりです。
ドレスを通してたくさんの出会いがあり、たくさんの幸せのおすそ分けを頂きました。
そして現在、株式会社ラシェルブライダルを設立すると同時に人生2度目の上京をし、東京白金の街にひっそりとドレスサロンを構え、日々たくさんの花嫁様に支えられながらドレスと向き合っております。
ラシェルいわきサロンも、完全予約制サロンとして、1か月に1〜2回花嫁様をお迎えしております。
たくさんの大好きな人たちに支えられながら、ドレス作りができる感謝の気持ちを込めて...